The Bothy Band
2010-01-09


トラディショナルなアイルランド音楽の、ティン・ホイッスルを習っている。その音楽が好きだから習っているのだが、その割にあまり多くのCDは持っていない。このあたり、多少私とクラシック音楽の関係に似ている。
 最初にアイリッシュで良いなと思ったのは、ルナサ(バンド名)だった。これはHMVのアイリッシュ・ミュージック・コーナーで、リコメンドしていたからというだけの理由で聴き始めたのだが、大当たりだった。ルナサのライブを見に行ったのが、自分でも習おうと思ったきっかけだと思う。
 チーフタンズは有名だが、CDを買うにもタイトルが多すぎて、ちょっと手を出しかねていた。そこに、知人からのレコメンドと、先生が大のファンという、ザ・ボシー・バンド The Bothy Band に行きついた。それ以来、自分用の選曲で参考にするのは、もっぱらボシーになっている。ルナサはややモダンな曲作りで、メロディアスなところがあるが、ボシーはよりトラディショナルで、素朴。多少泥臭い感じが、私のアイリッシュ・ミュージック観に合っている。

 そもそも、「ボシー bothy 」とは何か。
 気象条件の厳しい農業地域で、悪天候時の一時休憩や、泊まり込み作業のために使われる小さな小屋のことを、北部スコットランドや、アイルランドなどケルト地域で、bothy と言う。さらに、このボシーに集う独身男性たちが酒を飲み、興が乗って音楽をやるようになり、そこから楽曲であるボシー・バラードや、ボシー・バンド(一般名詞)が生まれた。
 ザ・ボシー・バンドは、この「ボシー・バンド」を、固有名詞としてのバンド名にしたのである。

 1974年に、ゲール・リン・レコードの創立25周年を記念して結成されたのが、ザ・ボシー・バンドで、メンバーはすでに腕利きのアイリッシュ・ミュージシャンとして名をはせていた。この手のバンドの宿命と言うべきか、活動は4年で終了し、発表したスタジオ録音アルバムは3枚、ライブアルバムが2枚で、私のような物ぐさリスナーにはちょうど良い。
 ザ・ボシー・バンドの解散後、フルート&ティン・ホイッスル担当のマット・モリーは、チーフタンズに加入している。

 ザ・ボシー・バンドの演奏は、評論するのもバカバカしいくらい、格好良い。技巧がどうだの何だのという以前の問題で、アイリッシュ・ミュージックの格好良さが、何の飾りも着けずに、素で疾走するかのような爽快感と、ある種の麻痺感をもたらすような迫力に満ちている。
 活動期間が短く、発表アルバムも少ない割に、YouTubeにはけっこう良い動画があがっていて、重宝する。



 リール(4/4拍子のダンス・チューン)セット。前半の "Martin Wynne's" も格好良いのだが、私が吹く笛とは、やや音域が合わない。後半の "Love of Tinker" に、あと2曲をくっつけて、2月のパブ・セッションで演奏することにした。そろそろ本腰を入れて練習を始めている。
 一番の問題は速さ。ザ・ボシー・バンドは、〓=240という、驚異的なテンポで演奏している。私のメトロノームは目下〓=160。さて、これをどこまで上げることができるやら。
[Irish Music]

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