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2010-09-14


F1イタリアGP inモンツァ。アロンソのスターティング・グリッド(PP)で、もさダサいおっさんがヘラヘラしていた。
 よく見たら、エリック・クラプトンだった。

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左のおじさんは、レッド・ブルのコンサルタントだそうだ。ベッテル君はいつのまに4位にになったんだ?

 エリック・クラプトンは、五本の指には入らないものの(仕方がないじゃないか、GH, BD, TPHBに、FABとStonesを入れたらもう一杯なんだから)、かなり好きな方のロック・アーチストだ。

 60年代は、一人のアーチストとしてより、けっこう好きなジャンルであるブリティッシュ・ブルース・ロックの一味として、とらえている。クラプトンの生涯業績の中でも、私が一番好きなギター・プレイは、ザ・ヤードバーズの [Five Live Yardbirds] の冒頭,"Too Much Monkey Business" だったりする。
 70年代になると、ロック・アーチストのエリック・クラプトンとしてかなり好きな時期になる。最初のソロ・アルバムもかなりお気に入りだし、デレク&ザ・ドミノスもクラプトンの作品として、高評価。レイド・バック以降、70年代のアルバムは、いずれも良い曲が入っていて、出来が良いと思う。反則だとは思うが、彼のアルバムの中で一番好きなのは、[Just One Night] だ。
 80年代は、あの難しい時代に、良くやったのではないだろうか。80年代風のポップな雰囲気も、嫌いではない。時代には時代に即した生き方がある。

 ところが90年代からは、私のクラプトン評価が一変する。彼のソング・ライティング能力は、1989年(アルバム[Journeyman])を最後に枯渇したと思っている。聞きごたえのある良い曲が皆無になってしまった。
 ブルース・カバー・アルバムはともかく、オリジナル・アルバムに聞くべき曲があまりにも無いので、プリなんとかやら、レピなんとか言うアルバムは、iPodにも入れてない。[Back Home] は、かろうじてジョージとスティーヴ・ウィンウッドの良さだけで入れている。他の曲はどれも聞くのが面倒臭いほど、退屈。

 もう一つ疑問なのは、彼のバンドメンバー選択眼と、バンドマネージメント能力である。メイン(リード)・ギタリストはクラプトンであるとして、そのサポートをしたり、大事なリズム・ギターを担当する人が、近年どうも良くない。去年のライブの時など、たぶんデュアン・オールマン系のブルースっぽいギターを弾かせたら上手いであろう人が、このポジションだったのだが、リズムギター・プレイヤーとしてはどうしようもない感じで、正直言えばバンドワーク的には台無しだという感想を持った。
 バンドは分業制である。いくらスライド・ギターをグイグイ弾けても、刻むべきところでまともに刻めない人を入れるという、クラプトンの人選がよく分からない。そういう若手のブルース・ギタリストと共演したいのなら、もう一人まともに刻めるギタリストを入れるべきではないだろうか。

 しかし、単なる「ダメになってしまった、過去の偉大なロッカー」で終わらないのが、エリック・クラプトンである。理由は、主に二つ。

 ひとつは、彼がジョージ・ハリスンに非常に愛された人だということ。
 なんだそりゃと呆れられるだろうが、私は大真面目。ジョージにあれほど愛されるということには、深い意味がある。
 ジョージに愛された人たちにとって、ジョージの存在がどれほど巨大であったか。その事が人生にもたらした深い意義を思えば、その重要性は自ずから明白だ。ボブ・ディランにしても、トム・ぺティにしても、マイク・キャンベルにしても、彼らのジョージへの思いを断片的に知るにつけ、音楽云々を抜きにして、彼らの間にあった深い感情そのものに大きな価値を感じ取ることができる。

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