Did you break the wall ?
2010-11-05


昨日付で、Cool Dry Placeに「カントム」の、 Part one, Chapter 7. don't come around here as much をアップした。

 ハートブレイカーズがやや煮詰まりの時期にあり、ドラッグやアルコールなども影響して、混乱気味に。もがいたあげくに、トムは手を怪我する。そこで、「壁は壊れましたか?」と尋ねるポール・ゾロのセンスが好きだ。

 なんと言ってもこの章で印象的なのは、デイヴ・スチュワート。かなり変な英国人である。トムさんって、変な英国人に好かれるタイプなのだろうか。
 デイヴときたら、神出鬼没で、ワイルドで、しかも変な格好をする。サファリ・ルックでトムさんの家に乗り込むなど、明らかにモンティ・パイソンである。そしてお嬢ちゃんたちと、シリアルを頬張る。なんだかおかしな男だけど、どこか可愛げがあるんだろう。

 "Don't come around here no more" の制作過程が面白い。チェリストが呼ばれてちょっとしたやりとりがあるのが、リアルだ。そう、クラシックの人は基本的に楽譜を使う。トムは「楽譜に書かれていないものを演奏したことがない」というコメントを不可解に受け止めているけど、それはクラシック人間にとってのコンプレックスなんです。あまりいじらないでください。でも、チェリストを追い返すことなく、楽しくやったと言う…が。[Southern Accents] のクレジットを確認すると、チェリストの名前はダニエル・ロスミューラーだった。トムさん、本当にチェリストの名前は「ラリー」だった?
 曲の冒頭に聞こえる変な音。私はあれを何かのサウンド・エフェクトのようなものだと思っていたが、どうやらベースらしい。弾いているのは、ディーン・ガルシア。なるほど、あれでは使えまい…。
 こちらは、デイヴ・スチュワート自身のライブでの演奏。なかなか格好良い…けど、やっぱりTP&HBの方が良い。マイクが居るか否かは大きい!



 いや、デイヴに関して言えば、何よりも。トムさんに変なもの見せないでください、この変態!まったく、うちのトムさんはウブでシャイな南部育ちなんですのよ!お揃いのカウボーイ・スーツを仕立てたり、サイケにぶっ飛んだ人(ティモシー・リアリー)なんかも居るようなワイルドなパーティを開いたり。ハートブレイカーズに警戒されるのも無理もない。
 そもそもトム・ぺティさん。「ぼくと一緒に曲を書くから」などと、ハートブレイカーズの警戒心を分析しているけど。さらに、マイクが "Don't come around here no more" を当初あまり好きではなかった事に関して、「それまでやっていたのとは、異なるから」などと〓気に分析しているが…
 あなた、意外と鈍いんじゃないの?

 そしてなぜか登場するジョージ・ハリスン氏。そう言えば、何でもビデオに録るのはデイヴの専売特許ではない。ジョージが同様の人種である。
 そして、ジョージのおうちで、くつろいでテレビを見るトムさん。
 そのジョージの家でやってきたデイヴ・スチュワートとの短いビデオ。ジョージが亡くなる1年か2年ほど前だろうか。



 ディランとのツアーの最後に、トムとマイクは英国勢と急接近することになるのだが、その先駆けとして、デイヴ・スチュワートが位置しているのかもしれない。
[TP&HB]
[Rock 'n' Roll]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット