2013-02-26
昨夜、Zepp東京でリンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドのライブを見てきた。
こう言ってはなんだが、予想したよりもずっと楽しかった!これは見た者勝ちのライブ。名古屋、余らせている場合では無い。
まず、オールスター・バンドから。「バンド史上最高のラインナップ」というのはさすがに大袈裟だが、確かに良いメンツが揃っている。
まず、トッド・ラングレン。言わずと知れた天才職人はとにかく歌が上手い、パフォーマンスが上手い、楽しそう。トッドのファンもとても楽しんでいたようだ。
そして、サンタナのメンバーだったグレッグ・ローリー。"Black Magic Woman" など、イカしたヒット曲でこれまた大盛り上がり。
一番印象的だったのは、元TOTOの、スティーヴ・ルカサのパート。"Rosanna" , "Africa", "Hold the Line" と、間違いの無い大ヒット曲を完璧に演奏してくれた。特に "Africa" はイントロで「おお〜!」というどよめきが起き、サビではかなりの合唱になっていた。かなり感動。
そして、変わらぬ歌唱力で魅せてくれた、元Mr. Mister のリチャード・ペイジ。"Kyrie" のイントロなど、ミュージック・ビデオをしっかり再現していて、鳥肌が立つ。演奏も本当に上手で、やはりサビでは合唱して大盛り上がりだった。
東京一日目の特性なのか、リンゴ以外のメンバーのファンもかなり居たし、80年代が青春だった人々の心をくすぐるラインナップとあって、びっくりするほど盛り上がっていた。
こういう密度の濃い楽しみはなかなか無いので、これはリーズナブル。とにかくお得の一言につきる。名古屋、余らせている場合では無い。
そして、主役リンゴ・スター。おそらく、私が最初で最後に見るビートルになるのだろう。
しかし、小走りに飛び出してきたリンゴは、「元ビートルズの人」という感じがまったくしない。どういうのが「元ビートルズの人」なのかは良く分からないが、とにかくイカしたロック野郎が飛び出してきたという風にしか見えない。要するに、過去の伝説の人では無く、現在進行形のエンターテイナーだった。
オールスターバンドはさすがの演奏の上手さ、さらにリンゴの力の抜けた楽しい歌唱に、誰もが自然と笑顔になっていまう。CFGの時、リンゴがステージに上がった途端に、全員が爆笑しはじめたのと同じ現象だ。
そして、Zeppを埋めた観客が一斉にピース・マークを掲げたのは圧巻だった。頭上に高くピースを掲げ、みんなで一緒に楽しく大合唱のオンパレード。特に "Yellow Submaline" と、"With a little help from my frends" は感動的だった。
こうなるとラブ&ピースも、別に宗教的でも強制的でも高尚なことでもなく、楽しく幸せな時間の合い言葉と化する。ああ、これがリンゴ・スターというアーチストのもたらす温かで素敵な幸せなのだなと実感した。
あまりにも一体感一杯に楽しんだので忘れがちだが、リンゴのドラム・プレイも出色だった。ダブル・ドラムなのだが、リンゴも決してお飾りでは無い。バンド全体を楽しそうに見渡し、リラックスしつつも正確なドラミングを聞かせてくれる。
グイグイ引っぱるのでもないし、飾りが多いのでもない。でもすごく安心感があって、バンドに安定感をもたらすドラムって、こういう事なのだと思う。私には技術的なことは分からないが、分からなくても素敵なドラマーだと思わせる人だった。
セットリスト的にはおおむね満足だが、ただ "Liverpool 8" が無かったのだけは残念。昨日の東京なら、きっと盛り上がったと思うのだが。
ちなみに、リンゴの東京での滞在先は、私の職場のすぐ側である。今日は昼食に外出したとき、外国セレブご一行様がいないかどうか、目を配っておいた。居なかったけど。
仕方が無いので、ホテルに向かって、「リンゴー!」と叫んでおいた。本当に、楽しかったよ。ありがとう、リンゴ。
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