ウクレレを多少グレード・アップした方が良いだろうと考え、先生お勧めのブランド、コリングスの、コンサート・ウクレレ UC-2 を購入した ― というのが、
前回までのお話。
今回は、その新しいコリングスを持っての初めてのレッスンのお話。
新しい楽器を抱え、レッスンに行くと、まず先生が、「おっ、ウクレレが変わってる」そして絵に描いたような二度見。
「コリングスじゃないですか!どうしたんですか!」(買ったんですよ)
「え、マジで?!本当にコリングス?!」(先生がコリングスがいいって熱っぽく語るから)
「本当に買ったんだ?!え、どうしよう、うわぁ、コーリーングス!
マジでうぁうぁ%☆*?$▲&…びっくりしたぁ!
(部屋の外へ)Kさーん!NI ぶちさんがコリングスのウクレレ買って来ましたよ!
さすがコリングス、ケースもいいっすねぇ!」
要するに先生は、私が本当にコリングスを買ってきたことに仰天して、卒倒しそうになったのだ。
それにびっくりしたのは私の方だが。
楽器を買い換えるにあたって、先生のお勧めを購入するというのは生徒としては至極当然だし、学生の頃から当然のことだった。楽器屋さんから直接ではなく、先生を仲介して買うというケースも多い。ピアノの楽譜には色々な版があり、それぞれに微妙な違いがあるので、どの出版社の楽譜を買うかは、やはり先生の意見による。これは音大生らしい従順さとも言える。
先生はお勧めのウクレレを複数上げていたが、その中で一番熱がこもっていたのがコリングスだと、私は察知した。そうなればそれが一番のお勧めだと考えるのは当然だろう。
しかし、実際は「一番のお勧め」というより、先生が「一番欲しい楽器」が、コリングスだったらしい。それを抱えてポカンとしている私に、先生曰く…
「本当に買うとは思わなかった。」
あらま。
どうやら、とんでもない楽器を買ったらしい。少なくとも、未だ初心者の部類で、コードは覚えられず、手が届かずにうーとか、あーとか唸っている輩の買い物ではなかった模様。
先生に弾いてもらうと、「くぅ〜ッ!いい響き!最高!」と、ほとんど号泣している。
響きが豊かで、しかも残響が滑らかで長く、ピッチが正確無比、ネックをたたいてみても分かる、木の良さと、計算されつくされた、丁寧な仕事が、豊かで、芳醇なナントカカントカ…山岡士郎ですか?
上から、下からジロジロ眺めて、買ったばかりの楽器なので、セッティングが合わないかもしれない。弦がおさえにくければ(そりゃ、いつも押さえにくいですよ)、調整をした方が良い。ナットを零点ナンミリ、サドルをまた零点ナンミリさげてウンタラカンタラ…
調整って、どうすれば良いのですかと尋ねると、お任せあれとばかりに、携帯で職人さん(リペアマン)と話し始める。 「もしもし?新品で、コリングスのコンサート・ウクレレがあるんだけど。ナットと、サドルをちょぉっと下げてほしいんです。そう、そう、ご名答。バイオリンペグの、あれですよ、今、目の前にある。そう、明日。道具を持って、そうそう、よろしくお願いします…」 そのようなわけで、翌日さっそく職人さんが「これが噂のコリングス」と、調整をしてくれた。この間もボーゼンとするオーナー(私)。
さらに先生曰く、「いつかはコリングス」だそうだ。「いつかはクラウン」みたいなものか。
私が購入した渋谷I楽器(前の記事でS楽器と書いたが、これは誤り。正しくはI楽器)のお兄さんも、あの時は涼しい顔で親切に対応してくださったが、実は内心、「どひゃー!!!へんなちっこい女がコリングスのウクレレ買いに来たー!!」と思っているに違いない!…とのこと。そうだったのか。
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