1994 MTV Video Music Award
2014-11-18


レニングラード・カウボーイズが出演した1994年のMTVビデオ・ミュージック・アウォード授賞式は、私がトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンになったばかりの頃に見た。

 今になって考えてみると、あれは1994年に見たのではなく、翌年の1995年に見たのだと思う。1995年の授賞式放映の前に、前年の授賞式を再放送しており、それを録画して一生懸命見たのだ。
 TP&HBの存在を知ったばかり、ファンになりたてのころ。アルバムなど買える身分ではなかったし、[Greatest Hits] すら持っていなかっただろう。そんな頃に見た番組なだけに、印象深い。

 親切なことに、この時のトムさんの出演シーンをまとめて YouTube にアップしてくれている人がいた。
 まず、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンが登場して、「ビデオ・ミュージック先駆者賞」とでも言うべき、Video Vanguard Award をトムさんに授与する。
 次に、司会者曰く「キム・ベイシンガー殺しの曲!」である、"Mary Jane's Last Dance" の演奏。最後に、「最優秀男性ビデオ賞」を、受賞する。



 あの頃、何度見返した分からない。ウィルベリーズの若い末っ子ちゃんだと思っていたのがヒゲ面だったのに、まずびっくりした。今にして思えば、すごく若い(44歳)のだが。ちょっと恥ずかしそうにスピーチしたり、宇宙飛行士のトロフィーをいじる手つきなど、可愛い人だなと思った。
 "The Video Vanguard Award" のイントロダクション映像は、MCA時代のビデオのオンパレード。こんなビデオがあるのか、全部見たいと大興奮。

 そしていよいよ、"Mary Jane's Last Dance" の演奏。スタンとハウイの居る、一番好きな頃のバンド編成だ。
 スコット・サーストンがけっこう前に出ている。ベンモントよりもずっとよく映って、大活躍。そしてもちろん、ハウイの素晴らしいコーラスが聴ける。彼の声とトムさんのアンサンブルは格別だ。スタンも白いシャツとベストが格好良く、ニコニコしながら叩いているのが良い。惜しいのは、ベンモントがほとんど映らないこと。
 一方、マイク。うわぁ、なんですかその格好は。どう見ても本番があることを忘れていて、家でくつろいでいたのを引っ張り出されたお父さんみたい。ユニクロみたいな格好なのに、高そうなレス・ポール。でも格好良い。頭も爆発していて好きな頃だ。
 演奏そのものは、最近のライブ・パフォーマンスよりも初々しい感じがする。ギター・ソロはマイクよりもトムさんが前に出るのはこの頃からで、エッジの立ったサウンドも格好良い。

 最後に、最優秀男性ビデオ賞を受賞。またトロフィーをいじって、旗が「チン!」と音を立てている。

 まだDVDも、ネットもない。ファン仲間もいなければ、CDも自由には買えなかった頃の大事な映像。80年代風の肩の広いジャケットも、コンバースも格好良い。これに夢中になり、お金をためて何を買おうか考え、MTVのどの番組を見れば彼らを見ることが出来るのか、やたらとビデオを録ったりしてあれこれ頑張った頃。あの新鮮な感動が蘇る。
 あれから20年。バンドのメンバーは変わり、あまりビデオも作らなくなったけれど、変わらずイカしたアルバムを作り、ツアーで最高の演奏を披露してくれるTP&HB。良いバンドのファンになったものだと、改めて思うのだ。
[TP&HB]

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