2016-03-04
ザ・ストロークスの人による、"Wah-Wah" は、[Concert for George] の名演があるだけに、なかなかのチャレンジだ。何と言っても、エレクトリック・ギタリストとしては憧れの曲ではないだろうか。
格好良く行くかどうかは、ドラムとベースのがんばりにかかっているが、この曲の持つパワーと明るさを爆発させている。ドラムのマット・ソーラムは、ザ・カルトの人で、ガンズ・アンド・ローゼズの人で、モーターヘッドの人でもあるとのこと。なんだか良く分からないが、凄い。
ギター・ソロに入る前に、一瞬ワウギターだけで保たせるパートがあるが、ちょっとテンポがもたついた。これは転ばないようにテンポを保つ方が難しいのであって、[CFG] の時のクラプトンは、やはり凄かったのだと思い知る。
大事なポイントでもあるホーン・セクションは、もう少し粘っこく、重く演奏した方が良いだろう。ピアノとオルガンの音を大きくミックスしているのは格好良い。
If I Needed Someone / ジェームズタウン・リバイバル
コーラスの美しい、ちょっとサイモン&ガーファンクルみたいな二人。学校の同級生だそうだ。
イントロ以外は、ビートルズのオリジナルに忠実なのだが、面白いことに誰もリッケンバッカーを弾いていない。そういえば、[CFG] でも飾ってあった以外、ほとんどリッケンバッカーは使われていなかったと思う。ここはやはりロジャー・マッグインの登場が待たれる。
Art of Dying / ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
唯一、イントロで何の曲か分からなかったのが、この曲。このコンサートの中では珍しく、オリジナルとは大きく異なる解釈で演奏している。クラプトンのワウを再現する人がいなかったという推理も成り立つが。
不気味で、地を這うようなプレイが、ジョージのダークな面を出していて、味わい深い。
Savoy Truffle / ダニー・ハリスン
いよいよダニーの登場。まずこの選曲が大好き。私もお気に入りの曲なのだが、ほとんどカバーで取り上げられないのが寂しかったのだ。
ダニーの、ジョージとよく似ているけれど、よりメタリックでエッジの利いた、力強い声がこの曲に良く合っている。シニカルでぶっきらぼう、クールでユーモアがある曲を、完璧にプレイしている。エンディングの格好良さには痺れる。ちょっと惜しいのは、やはりホーン・セクション。ちょっと軽快過ぎた。もっと重く、粘っこくして欲しかった。
For You Blue / チェイズ・コール
オシャレなお姉さんによる、オシャレな "For You Blue"。オリジナルはかなりアコースティックな曲だが、ここでは思い切ってエレキサウンドでポールとはひと味値違った魅力を引き出している。
Beware of Darkness / アン・ウィルソン
ハートというグループのことは良く知らないが、その姿はMTVで見たことがあり、そのイメージでいたら、これまたスタイル悪く見える格好の、この人がアン・ウィルソンその人であることにビックリしてしまった。そのことを人に言ったら、「昔から、角度を選ぶ人なんだ」とのこと。
演奏はさすがにソウルフルで格好良い。ジョージの中では女性向きとは言いがたい曲だが、存在感たっぷりの良い演奏だ。タンバリンを叩いているお兄さんが、ダークホースTシャツを着ている!
(その3につづく)
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