ディラン、この3枚
2016-10-19


ノーベル賞の影響で、ディランの話題がニュース,メディアで目立つ。連絡が取れないとか、連絡自体を断念したとか、当人寝てるとか、素知らぬ顔でツアー続行とか、あれやこれや。そのたびに、見慣れているはずの映像 ― Prince's trust や、Unpluggd がチラっと出てきて、いちいちときめく。

 ところで、ディランがノーベル賞を受け取るとして、「記念スピーチ」をするのではなく、「記念パフォーマンス」 ― つまり、歌うと思い込んでいるのは、私だけだろうか?ディランだって数々の授賞式の中で、歌わなかったこともあるが、こういう大きく取り扱われる機会には、ぜひとも歌ってもらいたい。何を歌うかは、もちろん好きにすれば良い。
 晩餐会とか、舞踏会なんかもあるらしいが ― 参加しなくても良いのだろうか。一曲だけでも歌ってくれさえすれば、仏頂面で晩餐会のテーブルにチョコンと座るディランも、別に悪くはない。
 どうやら当人は現在、盛大な「気恥ずかしさ」を発揮しているようだが、とにかく好きなようにするディランが、私は好きだ。フランク・シナトラ大会以外はね。

 さて、昨日、日本経済新聞夕刊の文化面に、三人の「識者」による「わたしのディラン、この3枚」という特集記事があった。
 それぞれに「なるほど」、という感想だが、ずばり「そう!その1枚だよね!」の1枚が挙がっていなかった。

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 私としては、絶対に外せない1枚。トラヴェリング・ウィルベリーズの [Volume 1]。

 ディランがとても愛している人や、尊敬している人、そしてディランに憧れている人たちと、ノリと友情だけで結成したロック・バンドとそのアルバム。ディランの詩の世界も堪能できるし、リラックスした音楽も溢れるほどに詰まっている。
 「孤高の吟遊詩人」もディランを表現する言葉だろうが、ジョージに言わせればユーモアのある、楽しい人、一緒にいたい人とのこと。仲間と楽しく和気藹々と過ごし、素敵な音楽を奏でるウィルベリーズのボブ・ディランこそ、私が最初に好きになったディランの姿だ。



 「3枚」挙げるとしたら、あと2枚がなかなか難しい。
 "Like a rolling stone" が入っている時点で、[Highway 61 revisited] は確定。
 あと1枚は…ライブの魅力という点で、[Hard rain] とか、[Royal Albert hall] も良い。21世紀の作品では [Love and theft] だろうか。
 もしかしたら、「人がどう期待しようが、どう酷評しようが、自分がやりたいことをやる」という姿勢を貫き、なおかつその音楽も好きな [Saved] も良いかも知れない。
[ウィルベリー兄弟]

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