2020-09-01
音楽との出会いは様々だ。
先日、なんとなくテレビをつけていたら、今月から始まる海外ドラマの、短い番宣が流れた。その最後にほんの少しだけ流れた音楽のサウンドが良かった。
さっそく検索して、分かったのはトラジカリー・ヒップによる、"Ahead by a Century" と言う曲であること。
そしてYouTubeでビデオを見たのだが、これがものすごく感動的で、大好きな音だった。
さらに検索して分かったのは、このトラジカリー・ヒップという、「カナダの国民的バンド」の、日本語の情報が極端に少ないことだ。Wikipedia には日本語版がないし、アマゾンのレビューにも日本語が皆無。いわゆる Small in Japanらしい。
そして、検索にあがってくる日本語の記事はすべからく、このバンドが永遠の終わりを迎えたということを、伝えるものだった。
2016年5月、バンドは、ボーカリストである、ゴード・ダウニーが末期の脳腫瘍を患っていることと、夏に最後のツアーを行うことを公表した。ツアー最終日はカナダ全国に複数のメディアで中継され、最後に "Ahead by a Century" が演奏された。
ダウニーは2017年10月17日に亡くなった。
あまりにも"Ahead by a Century" が良かったので、収録アルバム [Trouble at the henhouse] を聞いてみた。
バンドのジャンル的には、オルタナティブ・ロックといったところだろうか。サウンドが重め、かつ暗め。どうやら "Ahead by a Century" は例外的にフォーキーなサウンドのようだ。
たぶん、私の好きなジャンルのミュージシャンではないのだと思う。―― Wikipedia (英語)は Folk Rockとも表記しているし、ほかのアルバムを聴いていないから断定は出来ないが ―― でも、"Ahead by a Century" は間違いなく、深い愛着を持たせる、感動的な大曲だ。
ツアー最終日、これが最後なのだと分かって "Ahead by a Century" を迎えた人々の、心の内は、どのようなものだっただろうか。
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