2020-10-11
ジョージ・ハリスンという人は、根がシンガーではなく、ギタリストである。声質もいわゆる薄い「ギタリスト声」で、偉大なヴォーかリストというわけではない。そのギタリストが、一生懸命歌う加減の健気さも、好きだったりするポイントだ。
ソングライティングにおいても、音楽的にはギター中心に作りあげる感じがする。有名なスライドギターは、ギターに歌わせている。
ギター主体で、ギターの鳴り方にこだわりをもっていると、ジョージの声の音域とちょっと合わない曲もできてくる。
けっこうあるのが、ジョージの声の音域より、高めの設定の曲 ―― "You" などはその代表だし、この "Don't Let Me Wait Too Long" も、ギターのキラキラした高めのコードに合わせて、歌も高くしたら、ジョージ自身の音域の中では、かなり苦しい高さになってしまった例だろう。
ディランなら、問答無用でキーを下げそうな所だが、ジョージはこの高音域の響きが好きだったに違いない。
この曲、あまり話題に上らないけれど、すごく良い曲だ。明るくてポップで、豊かな音色。
もっとカバーされて良い曲だと思う。
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